2013年2月21日木曜日

立命館大学の「大学院で獲得する“充実”」に関連して

以前にも少し紹介したことがあるかもしれないけれど、立命館でのぼくの主たる仕事は、博士キャリアパス推進室という部署の業務である。『高学歴ワーキングプア』という水月昭道さんの書籍でよく知られるようになったけれど、大学院、とくに博士課程を修了すると、完全に需給関係が逆転し、人材供給のほうが上回ってしまっている。要は若手の仕事が圧倒的に不足している。

「博士課程修了者のキャリアパス創出に関する問題の所在について」
http://ryosukenishida.blogspot.jp/2012/11/blog-post.html

来年度は改組でさらに業務が増えるようなのだけど、2012年度は博士課程を中心に、アカデミズムでの競争力強化と、同時に、多様なキャリアを選択できる力を要請できるプログラムの開発に取り組んできた。とはいえ、今年度は第2期のプログラム体系を引き継ぎつつ中身を考えながら、2013年度からの第3期のプログラムの構想を作成する作業に関わってきた。これは遠くないうちに公開されるはずだが、個別支援とガバナンスの構築、今後の施策に活かすための基礎的な調査を軸にしたかなりユニークなものになっている。

立命館大学博士キャリアパス推進室
http://www.ritsumei.ac.jp/ru_gr/g-career/

さて、そんな立命館での2012年度のほぼ最後の仕事が、2013年度から立命館大学の大学院に進学する、いわゆるM0生向けのセミナー「大学院で獲得する“充実”」である。昨年度まではキャリアについて、丸一日学ぶようなものだったようである。今年度は、立命館大学の大学院での学びのモチベーションに特化したものに全面的に書き換えた。おおまかにいえば、教員、修了生、他大院卒人材と、コミュニケーションしながら、研究や就活にかぎらず、広義の「大学院での学び」とそのメリットについて考えてもらう。

また、れらのコミュニケーションを踏まえて現役院生と一緒に2年間の学びの計画を立てる。モチベーションとともに、入学前に縦横の人間関係のネットワーキングを行なってもらうという趣旨もある。他大院卒の人材もまだ公開になっていないけれど、ぼくの友人たちで、おそらく院卒の有無と関係なく「話を聞いてみたい」と思える人たちなので、楽しみにしていただきたい。

「2013年度 大学院新入生向けセミナー 「大学院で獲得する“充実”」」
http://www.ritsumei.ac.jp/ru_gr/g-support/ability/article/?id=20

ウェブは少し、大仰だけれど、立命館大学の大学院に進学する予定の人は、3月16日、17日の土日のどちらに参加してもよい設定になっているので、ぜひとも参加を検討してほしい。また今後も学内事情に根ざして、着実な、しかし大胆な支援プログラムを仕掛けていくので、立命館の大学院に注目していただければと思う。