2012年12月22日土曜日

「ネット選挙運動」をめぐる各政党の2012年衆議院選挙の見解(マニフェストを並べてみた)

公職選挙法と「ネット選挙運動」に関して、自民党が先の2012年の衆議院総選挙を圧勝したことで公職選挙法の改正が現実味を増してきた。先日チラと耳にした話では、自民党が既出の民主党提出の予算案を書き直すため年始の国会が「空く」ため、そこに入れてくるのではないかという噂なども。

各政党もかたちはさまざまだが今回の2012年の衆議院選挙のマニフェストに「ネット選挙運動」の解禁について記述している(日本未来の党を除く)。各党がなんらかのかたちで、記述しているので、次の参議院選挙までになんらかの進展はあるのではないかと思われる。それらの文言は各党、以下のとおり。各党ネット選挙運動の解禁に対する態度は少し違うので、文脈が見えやすように、周辺の文言ともに引用した。
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・自民党
300 ネット選挙の解禁
Facebook、Twitter、ブログなどの普及に鑑み、有権者へ の候補者情報の提供、国民の政治への参加意識向上等を図るため、インターネット等を利用した選挙運動を解禁します。(自民党,2012,『J-ファイル2012 自民党総合政策集』http://jimin.ncss.nifty.com/pdf/j_file2012.pdf.)

・公明党
18歳選挙権を実現します。   
インターネットを使った選挙運動の解禁を実現します。(公明党,2012,『衆院選重点政策manifesto2012』 http://www.komei.or.jp/policy/various_policies/pdf/manifesto2012.pdf.)

 ・日本維新の会
ネットを利用した選挙活動の解禁(日本維新の会,2012,『維新八策(各論)VER1.01』http://j-ishin.jp/pdf/ishinhassaku.pdf


・民主党
6.政治改革・国会改革を断行し、国民の信頼を取り戻す
○企業・団体献金を禁止する。
○国会議員関係政治団体の収支報告書をインターネットで一括掲載する。
○国会議員の関係政治団体の収支報告書の開示期間を3年間から5年間に延長する。
○インターネット選挙運動の解禁をすすめる。(民主党,2012,『政権政策Manifesto』http://www.dpj.or.jp/global/downloads/manifesto2012.txt.)

・みんなの党

7.多様な民意を政治に反映させるため、インターネット選挙を解禁
選挙期間中でもインターネット(フェイスブックやツイッター等)を使った選挙運動が、候補者本人や政党、第三者でもできるよう法律を改正。候補者本人の有料広告は、法定選挙費用内で可能とする。
個人認証の精緻化や秘密投票の確保がなされるようになった将来には、パソコンやスマートフォンを使ったインターネット投票を実現し、その技術を世界へと売り込む。(みんなの党,2012,『公職選挙』http://www.your-party.jp/policy/manifest.html#manifest05.)

・共産党

また、戸別訪問の禁止をはじめ、選挙期間中のビラ、ポスターの配布規制、インターネットを使った選挙活動規制など「禁止・規制法」としての性格をもっている公職選挙法を根本的に改め、主権者である国民が気軽に多面的に選挙に参加できる制度に変えることを要求します。
 一言で「ネット選挙運動解禁」といっても、取ってつけたようなところもあれば、じっくり他の政策との関連を考えている議論まで多様だ。

世界の8割以上の国で実施されている18歳選挙権の実現をめざします。(共産党,2012,『2012年総選挙政策 各分野政策 35、国会改革・選挙制度改革』http://www.jcp.or.jp/web_policy/2012/11/2012-35.html.)

・社民党
インターネットは候補者の、候補者情報の充実、速報性、多様な情報の発信、有権者への直接の情報提供、時間的・場所的制約のなさ、有権者と候補者の双方向型の政治、金のかかわらない選挙の実現に資することから、インターネットを使った選挙運動を解禁します。また、各選挙委員会のウェブサイトに、政見放送と選挙公報を掲載します。インターネット選挙解禁に当たっては、視覚障がい者の方などへの対応に万全を期します。(社民党,2012,『選挙公約』http://www5.sdp.or.jp/policy/policy/election/2012/data/manifesto_all.pdf.)
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このように各党の主張を並べてみると、やや温度差があることがわかる。それではどのあたりが論点になのだろうか。近々、公職選挙法とともに並べて検討してみることにしたい。

※ところで、ネット選挙運動の解禁を主張する各政党のみなさんには、マニフェストのPDFは画像じゃなくて、テキスト埋め込みくらいにはしていただきたいもの・・・