2013年7月24日水曜日
戸別訪問の解禁がネット選挙を促進するのか?
昨日、とあるBSの報道番組のネット選挙を振り返るという企画に出ていたのだが、そのなかで「ネット選挙よりも戸別訪問が重要である」という見解があった。だが、おそらく現在の政治習慣のなかでは、ネット選挙も、戸別訪問解禁も、有権者と候補者、政党の双方向の議論を促進しない。政党と候補者の力関係において、前者が優位だからだ。最近の、菅直人氏をめぐる民主党の議論を見てもよく分かる。政党の意向と異なった各政治家の発言や態度を容認しないのであれば、各政治家にとっては有権者と双方向の議論や、それによって態度や意見を変容する強いインセンティブを持ち得ない。党議拘束などはその象徴だ。また、これはオンライン/オフラインを問わない。したがって、ネット選挙解禁は現状「政治の透明化」に一定程度寄与するツールであり、政党から見ると、新たな情報発信のチャネルにとどまるしかないことが運命づけられている。もしネット選挙とあわせて考えなおさなければならないとすると、戸別訪問もそうだが、それよりも新聞や雑誌、テレビ、ラジオといった他のメディアの利活用や文書図画の掲示、頒布についてだろう。