紀伊國屋新宿本店3Fじんぶんやにて、「【じんぶんや第79講】 チーム「統治」を創造する 選 "「いいね!」から始まる社会をどう描くか――変革を想像するためのヒント"」というフェアを展開しています。
『「統治」を創造する』(春秋社)の執筆者による選書フェアです。分野横断的なチョイスで、書評コメント入りの小冊子を配布しています。ぼくは今日学習院大学での講義の帰りにふらっと寄ったのですが、お世話になってきた某ラジオ番組のプロデューサー某黒幕氏にばったり出くわすなど、界隈のヒトもチェックしているかも?!
なお僕が書いた巻頭言は、下記の紀伊國屋書店さんのページからも読めます。14日の荻上チキさんとのイベントとあわせてよろしくお願いいたします。
(http://www.kinokuniya.co.jp/20120412154541.htmlより引用)
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【じんぶんや第79講】 チーム「統治」を創造する 選 "「いいね!」から始まる社会をどう描くか――変革を想像するためのヒント"
紀伊國屋書店新宿本店月がわりブックフェア「じんぶんや」、今月は気鋭の若手研究者"チーム「統治」を創造する"の皆さんにご選書いただきました。また今回の選書に際し、『「統治」を創造する』の編著者である西田亮介さんに「巻頭言」をお寄せいただきました。
「巻頭言」
世間にはいま、否定的で絶望的な言説が溢れている。
そのほうが人々が飛びつき、話題になるためか、ますますその手の言説が出まわることになる。
2011年には東日本大震災もあったし、そもそも円高や少子高齢化という日本型システムの基礎の危機はそれ以前から存在していた。あまり慣れ親しんでしまったため、日本の社会保障と経済の構造は身動きが取れなくなってしまっている。
危機の反動からか、過剰なグローバル志向と、広範な普及可能性の乏しい定常状態待望論(今の生活水準を保ちたい)が姿をみせている。
これらはともに従来の日本社会が積み重ねてきた有形、無形の資産を捨て去る革命待望の言説だ。大転換を目指してゼロからスタートを切るのであるから、どちらの選択肢も日本社会が現在持っている競争優位を損なってしまうことが容易に予想される。
しかし、人口と内需、さらにわたしたちのエートスをしても、新興国、そして他の先進諸国と「同じ競争」をすることは望ましくないのではないか。むしろ同種の競争を回避し、あるいはほどほどに参加しつつ「残余」に徹底して注力することが必要であろう。
このような「軌道修正」では現状の諸条件を参照しつつ、さらに過去の日本社会の資産を活かしながら、新しいポジションを目指していくことになる。いや、そのポジションの位置さえ議論し探索しなければならない。
そのためにこそ統治の方法論の組み換えが求められているのだ。
現行の統治システムは約60年前の日本社会にとって、あまりにフィットし、ロバスト(堅牢)なものであった。ただし、当時それらを構想した統治者たちは、そのシステムが時限付きのものであったことを明言していた。
現状はどうか。...
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