「自分がやった仕事には確かに意味があった」と感じることができる機会は、そう多くはない。研究者という仕事には、とくにそういうところがあるかもしれない。書いたものがベストセラーになるわけでなし、一人でする仕事も多く、「手応え」のようなものはなかなかえられない。研究とはすぐに誰かの役に立つものでもない。ところが昨日はそんな瞬間が1日に2回も訪れた。具体的にはどこかで書くかもしれないけど、確かに「この仕事は誰かの役に立ったのだ」と思えた。研究はもちろんすぐに役に立つものでなくてもよいと思うけれど、誰かの役に立つなら、むろんそれに越したことはないはず。未だにそんな機会は指折り数えるほどしかないから、昨日はまったくもって行幸みたいなもので、しっかり覚えておこうと思った。