研究室情報【進学、研究生、共同研究等希望者等向け】

西田亮介研究室について (about Dr. Ryosuke NISHIDA's Lab.@titech)
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2013年4月17日水曜日

産学連携についての所感

先日、主に大手日本企業の人たち向けに、ITベンチャーの役員の人や広告代理店の人たちと一緒にお話するパネルがあった。

そこで日本の産学連携についての話になった。ちなみに前職が中小企業基盤整備機構という経済産業省系列の中小企業等の支援機関で、大学発ベンチャーの調査をしたりしていたので、そういった話題にもそれなりに対応するのである。

そこでまず話題になったのが、ある意味では「当たり前」ではあるのだけど、ITベンチャー企業は大学にはとくに何も求めていないという話。アクセスの仕方もわからないし、大学に相談するくらいだったら自分たちで作ってみるということ。そもそもどこに相談していいのかさえよく分からないし、ホームページからすぐに誰がどんな研究をしているようにしてくれないと一緒に何か難しいだろうということだった。

次に質疑応答のときには、やはり大手企業の、わりと著名なOBの方から「大学との産学連携はどこに問い合わせて、どうやったらいいのかわからない。そもそも産学連携に値する研究をやっているのか」というコメントをいただいた。

ところが、この15年ほど日本の大学は、未だ十分ではないもののこういった状況に対応しようとしてきた。たとえば立命館の場合、トップページの右上から「産学連携」のリンクを配置している。

立命館大学
http://www.ritsumei.jp/index_j.html

(ただし、その先のUIを見てみると、外部の人がどのように問い合わせればよいのかという案内がぱっと見えるようになっていないので、外部の人に見てもらうというよりは、関係者が共同研究の受け入れを学内で問い合わせる想定に思われるのでここは改善点ではないだろうか)

また入力が完全ではないし使い勝手がよいかどうかという点には議論の余地があるものの、研究者データベースを用意していて、誰が、どんな研究をしているのか、ということがすぐに検索できるようになっている。

立命館大学研究者学術情報データベース
http://research-db.ritsumei.ac.jp/scripts/websearch/index.htm

完全には程遠いまでも、なぜ日本では今も、民間企業やベンチャー企業が「大学と共同研究したい、産学連携したい」と思えないのだろうか(ちなみに大学発ベンチャーの新規設立件数も、全盛期の2000年代半ばの3分の1程度にまで落ち込んでいる)。

わりと素朴な疑問だけれど、なんらかの大学と民間の距離のようなものが存在している。この「距離」の存在を認めたうえで、その具体的な姿を明らかにし、行政や民間からの要望ではなく、大学の側から変えていく、社会に近づいていこうとする姿勢が必要な気がする。社会や民間は、すでに日本の大学を「よく分からないもの」とみなして、どちらかというと一足飛びにMITメディアラボ的なものやシリコンバレー的なもの、最近ではDスクールのようなデザインスクールに目が向いてしまっているように思える。だとすれば、大学や研究者の側から、社会、そして企業に積極的に近づいていかないと、あまり明るい未来が待っているとは思えない。