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西田亮介研究室について (about Dr. Ryosuke NISHIDA's Lab.@titech)
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2016年9月7日水曜日

縦割りの18歳選挙権、被選挙権引き下げ、ネット選挙を超えた公選法の総合的見直しを検討せよーー「【18歳選挙権:若者X政治参加X主権者教育】「18歳からの選択:18歳選挙権と今後の主権者教育と政治参加&社会参加について」~7月の参議院選挙でのデータ分析を踏まえて~」登壇を終えて



先週末「【18歳選挙権:若者X政治参加X主権者教育】「18歳からの選択:18歳選挙権と今後の主権者教育と政治参加&社会参加について」~7月の参議院選挙でのデータ分析を踏まえて~」というちょっと名前の長いイベントに登壇していました。18歳選挙権と主権者教育に関するイベントでした。

ここでのぼくの発言は、下記において、選挙ドットコムさんが端的にまとめてくださっています。友人の某著名選挙コンサルタント氏がキーボードを叩いていたので、スライドもなしに早口で話したぼくの話を実に的確に要約いただきました。ありがとうございました。

ぼくの議論はいろいろなところで書いたり、話したりしているものとほぼ同じだと思いますが、ところで最後の最後に、司会の田幸さんの指名で、某著名選挙コンサルタントこと松田馨さんがおっしゃっていたことが印象的です。松田さんの指摘はまとめると公選法が肥大化、複雑化し過ぎ、裁量の範囲があまりに大きくなりすぎていて、選管の判断も各所で一貫しているとはいえず総合的な見直しが必要だ、というものでした。

確かに公選法どころか、衆参の選挙法時代から付け足しながら現在に至っている公選法はあまりに複雑で実務の専門家を除くとその概要を把握、理解することすら難しくなっています。ぼくもまったくもって松田さんに同意しますし、ぼくもネット選挙解禁のころからその議論に言及していました(たとえば拙著『ネット選挙 解禁がもたらす日本の変容』等参照のこと)。最近の議論でいえば、そもそも18歳選挙権の問題と被選挙権年齢の引き下げ、ネット選挙、供託金問題、政治資金の問題などがすでに各論として別々に論じられていることも、本来の主旨からいえばあまり望ましいあり様とは思えません。総合的な視点が必要です。

むろん現職の政治家からすれば、これまで勝ってきたルール、勝利した経験のあるルールの変更は大変抵抗感のあるものでしょう。だからこそ世論の盛り上がりと選挙のない平時から息の長い議論が必要だともいえます。最近は「選挙以外にも、政治はある」という言い方が流行っていますが、「選挙でしか変えられない政治もある」「選挙が政治参加の象徴的機会である」という原則を思い出すなら、選挙と選挙を規定する公選法がもっとも影響の大きなボトルネックであり、政策変更のセンターピンであることは今も昔もなんら変わっていません。また1950年代、それどころかそれ以前から継ぎ足しつつ使ってきた古いレジームの象徴ともいえます。選挙と公選法の現代的なあり方に関する総合的な議論が必要ではないでしょうか。

(以下、松田さんによる当日のぼくの発言の実況です)

(ここには注釈と訂正が必要でして、ぼくが言及したかったのは総務省の『学校教育と連携した啓発事業実態調査報告書』(リンク先PDF)における選管の出前授業のことです。要は公的機関で、比較的手軽な外部者であり、文科省教材でも言及される選管を用いた出前講義を受けた高校生でさえこの水準に留まっているということでした)