2013年10月30日水曜日

『若年無業者白書』のためのリテラシー

先日、若年無業者の支援を行うNPO法人育て上げネットさんと共同執筆した『若年無業者白書』を公開しました。ありがたいことに、いくつかメディアにも取り上げていただきました。
若者就労支援:「若年無業者白書」出版 NPOが支援データまとめる http://mainichi.jp/select/news/20131027mog00m040022000c.html
携帯持っていれば無業期間は短縮…「ニート白書」 : ジョブサーチ : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/job/news/20131030-OYT8T00469.htm?from=tw
若者の失職期間、携帯電話あれば短くなる傾向 パソコンは逆効果 NPOなど調査 - MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/economy/news/131029/biz13102910520012-n1.htm
またいくつか誤植や欠損のご指摘もいただき、さっそく工藤さんのブログで公開しております。後日、育て上げネットのホームページ等にも反映していくはずです。
【若年無業者白書正誤表ver.1】追加データ掲載あり。
http://ameblo.jp/sodateage-kudo/entry-11657917877.html
あともう一点、『若年無業者白書』についてのよくある「誤解」について追記しておきます。本白書、とくに第3部は「若者の失職期間が、携帯電話があれば短くなる傾向があり、パソコンを保有していると長くなる傾向がある」という結論を出していません

本白書の、とくに第3部の示唆は「調査対象の(≒育て上げネットの支援を受けていた)若年無業者のなかで携帯電話を持っている場合、無業期間が相対的に短くなる傾向があり、同じく調査対象の若年無業者のなかでPCを保有している場合、無業期間が相対的に長くなる傾向が見出だせる」というものです。

したがって、たとえば「携帯電話を持つ若者は失職期間が比較的短くなり、パソコン保有者は逆に長期化する傾向が認められた。」という結論を、本白書からは導くことはできません。まず「携帯電話を持つ若者」一般についての知見を本白書は示唆しているものではありませんし、さらに因果関係の存在の有無についても提示しているわけではないからです(本白書は現状あくまで相関関係の存在を示唆しています。テクニカルには回帰モデルの説明変数の変数選択はあくまで分析者によるからです)。

携帯電話やPCの役割についてはより細かい分析が必要ですが、たとえばスマートフォンかどうか、オフィス系ツールがインストールされているかどうか、ツールを使いこなすことができるかどうか、ネットに接続しているかどうか等々の視点と組み合わせた追加調査を行うことで、これらのコミュニケーション・ツールが若年無業者の無業期間に与える影響についてより正確に理解することができるようになると思われます。

ともすれば、この手の記述はセンセーショナルなメッセージとなってしまいがちですので、ご注意いただければ幸いです。また追記すべき事項がありましたら、追記していきます。

※ 『若年無業者白書』紙版(ただし、500部しか作成しておらず、製作コストの問題でおそらく増刷は困難です)→


『若年無業者白書』Kindle版→

2013年10月28日月曜日

『若年無業者白書』刊行記念イベントの様子

「育て上げ」ネット 工藤さん

「育て上げ」ネット 工藤さん

...西田

東京会場には13社のメディア(確か)をはじめ、多くのみなさまにご来場いただきました。

10月30日(水)の大阪でのイベントの申し込みはこちら→


※ 紙版(ただし、500部しか作成しておらず、製作コストの問題でおそらく増刷は困難です)→


Kindle版→

『若年無業者白書』の発行イベント@東京を行いました。

昨日10月27日に『若年無業者白書』の発行イベント@東京を行いました。共同研究を行っていた若年無業者の支援を長く手がけてきたNPO法人「育て上げ」ネット理事長工藤啓さん、同じく新宅圭峰さん、西田で、今回の白書から得られた知見を、クラウドファンディングで資金提供いただいたみなさまや、マスコミ各社の方向けに先行して報告させていただきました。

ブロガーのイケダハヤトさんが、実況中継に来てくれました。

イケダハヤトさんの実況まとめ→
http://togetter.com/li/582288

育て上げネットスタッフの方の実況まとめ→
http://togetter.com/li/582301

また社会部が強い『毎日新聞』が、昨日のうちに電子版の記事を出してくれました(ぼくの肩書が「特別招聘教授」となっているのはご愛嬌。正しくは「特別招聘准教授」です。30歳で教授だったら大学業界的には大事件ですので・・・)。

「若者就労支援:「若年無業者白書」出版 NPOが支援データまとめる」
 http://mainichi.jp/select/news/20131027mog00m040022000c.html

10月30日の大阪でのイベントの申し込みはこちら→
http://kokucheese.com/event/index/119284/

※いくつかいただいた誤植の指摘はなるべく早く修正のうえ、改めて育て上げネットさんの方から告知が出ると思われます。

紙版(ただし、500部しか作成しておらず、製作コストの問題でおそらく増刷は困難です)→


Kindle版→

2013年10月26日土曜日

『若年無業者白書』のKindle版できました。

『若年無業者白書』のKindle版できました。電子版につき製作コストが低いので、こちらは定価700円とだいぶお求め安い価格になっております。設定ミスかもしれないけど、ぼくが見た時点では、Amazonプライム会員価格で0円となっていました・・・



2013年10月25日金曜日

『西日本新聞』10月20日朝刊読書欄に、『ネット選挙とデジタル・デモクラシー』(NHK出版)書評が掲載されました。

『西日本新聞』10月20日朝刊読書欄に、『ネット選挙とデジタル・デモクラシー』(NHK出版)書評が掲載されました。

http://www.nishinippon.co.jp/nlp/book_column/article/47309

選挙のない平時に読んでほしい一冊(前著もあわせて2冊)です。選挙が来ると、またバタバタするのですから・・・



前著もよろしくお願いします。


2013年10月23日水曜日

大学院生のための新しい研究環境創造ワークショップ最終回@10月16日

一連の、「大学院生のための新しい研究環境創造ワークショップ最終回」の、暫定的な最終回を10月16日に行いました。良い提案になっていると思うのだけど、これを実際にどこまで具体化できるかは、また別の政治的交渉の場で、そこは(も)ぼくの仕事・・・



2013年10月20日日曜日

国際公共経済学会第28回研究大会@慶應日吉キャンパス12月7日(土)、12月8日(日)

国際公共経済学会第28回研究大会@慶應日吉キャンパス12月7日(土)、12月8日(日)。大会テーマは「2025年のICT」。ゲストも大変豪華です。以下、現在確定のプログラムです。ぼくもネット選挙に関するパネル企画を担当しています(以下、国際公共経済学会から引用)。

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日程:2013年12月7日(土)~8日(日)
会場:慶應義塾大学 日吉キャンパス
12月7日(土)
10:00〜12:00 Ⅰ 院生セッション
Ⅰ—A 奨励賞報告Ⅰ—B 奨励賞報告Ⅰ—C 奨励賞報告

12:00~ 13:00理事会

13:00〜15:00 Ⅱ
Ⅱ—A 2025年のICTビジネス
伊藤昭浩 (名古屋学院大学)
大木洵人(シュアール)
川上量生(ドワンゴ)
夏野剛(慶應義塾大学特別招聘教授)
コーディネーター
仲上健一(立命館大学)
Ⅱ—B 2025年のデジタル教科書
白石真澄(関西大学)
代田昭久(武雄市教育委員会教育監)
中村伊知哉(慶應義塾大学)
コーディネーター
石戸奈々子(CANVAS)


15:10〜17:00 Ⅲ
Ⅲ—A 2025年のICTインフラ
菊池尚人(慶應義塾大学特任准教授)
野村宗訓(関西学院大学)
山田 肇 (東洋大学)
コーディネーター
谷脇康彦
内閣審議官(内閣審議官・内閣官房情報セキュリティセンター副センター長)
Ⅲ—B 2025年の電子書籍
池田敬二(電子出版制作・流通協議会)
植村八潮(専修大学・出版デジタル機構会長)
落合早苗(hon.jp)
瀬尾太一(写真家・日本写真著作権協会常務理事)
コーディネーター
山口翔(名古屋学院大学)




12月8日(日)
10:00〜12:00 Ⅳ
Ⅳ—A  次世代研究部会セッション 2015年のネット選挙
生貝直人 (国立情報学研究所)
石戸 諭 (毎日新聞社 大阪社会部)
前田浩智 (毎日新聞社 政治部部長)
松原真倫(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科)
山口翔 (名古屋学院大学)
コーディネーター
西田亮介(立命館大学特別招聘准教授)
Ⅳ—B一般報告

13:00〜15:00 Ⅴ
Ⅴ—A 2025年のICT社会ー官民の役割分担を踏まえてー
石川准(静岡県立大学)
南場智子(DeNA)
西田亮介(立命館大学特別招聘准教授)
樋渡啓祐 (武雄市市長)
コーディネーター
松原聡 (東洋大学)
Ⅴ—B Ciriec International

15:10〜17:00 Ⅵ
Ⅵ—A 2045年世界と日本のICT(技術と競争力)
生貝直人 (国立情報学研究所)
稲見昌彦(慶應義塾大学)
猪子寿之(チーム・ラボ)
境真良(経済産業省)
林紘一郎(情報セキュリティ大学院大学)
水口哲也(慶應義塾大学特任教授)
コーディネーター
中村伊知哉(慶應義塾大学)
Ⅵ—B 一般報告
17:00~18:00 総会
18:00~ 懇親会

2013年10月17日木曜日

chilly morning

寒かったけど、相当いい波だった。朝から湘南各所の駐車場もいっぱいでした。


2013年10月16日水曜日

安倍宏行さんの、新しいウェブメディア「Japan In-Depth」に寄稿しました。

元フジテレビで、プライムニュースの解説委員を長く務めていらっしゃった安倍宏行さんが、独立して新しいウェブメディアを起業されました。その名も「Japan In-Depth」。ぼくもプライムニュース時代からお世話になっているので、さっそく寄稿しました。やや煽り気味のタイトルですが、ぼくからの民主党へのエールです。与党経験が組織のなかで風化する前に、地方基盤が崩壊する前に、一刻も早く立て直しを行ってほしいと思っています(政策的には、みんなの党に共感する点が多いのですが、やはり地方基盤や与党経験を加味すると、次の政権交代を考えるとき現時点では民主党を考慮しないわけにはいかない、というのが個人的な考えです)。

「民主党は今こそ「攻めのネット選挙」に取り組むべきだ」
http://japan-indepth.jp/?p=684

※追記
瞬間最大風速的に、16日のアクセスランキング、第一位だったそうです。

2013年10月13日日曜日

『三田評論』のネット選挙特集

慶應義塾の機関誌『三田評論』の最新号がネット選挙の特集を組んでいます。大石裕先生司会の座談会に参加いたしました。

・田中愛治・井原康宏・西田亮介・李洪千・大石裕,2013,「メディア政治のなかのネット選挙」『三田評論』1171: 10-27.

また特集のなかの山越修三先生の「『ネット選挙』の捉え方――政治コミュニケーション論から批判的に考える」では、前著を引用いただいていました。


2013年10月12日土曜日

Lucky

「自分がやった仕事には確かに意味があった」と感じることができる機会は、そう多くはない。研究者という仕事には、とくにそういうところがあるかもしれない。書いたものがベストセラーになるわけでなし、一人でする仕事も多く、「手応え」のようなものはなかなかえられない。研究とはすぐに誰かの役に立つものでもない。ところが昨日はそんな瞬間が1日に2回も訪れた。具体的にはどこかで書くかもしれないけど、確かに「この仕事は誰かの役に立ったのだ」と思えた。研究はもちろんすぐに役に立つものでなくてもよいと思うけれど、誰かの役に立つなら、むろんそれに越したことはないはず。未だにそんな機会は指折り数えるほどしかないから、昨日はまったくもって行幸みたいなもので、しっかり覚えておこうと思った。

2013年10月10日木曜日

autumn or summer?


シモンズフィッシュに加えて、久々にシングルフィンロングボードも引っ張り出してきたら、まったり楽しかった。

EDNAもチェック。
http://www.t-sticksurf.com/staff/diary.cgi?no=1134

2013年10月9日水曜日

NPO法人「育て上げ」ネットさんとの共同研究の成果のひとつ『若年無業者白書』の刊行と刊行記念イベントのプレスリリースです。

今年度、就労支援などを手がけるNPO法人「育て上げ」ネットさんと共同研究を行っています。その成果のひとつとして、『若年無業者白書』を10月27日に刊行します。その刊行と刊行記念イベントに関するプレスリリースです。

http://www.sodateage.net/delivery/1310_hakusyo.pdf

10月2日に「大学院生のための新しい研究環境創造ワークショップ」を担当しました。

10月2日に「大学院生のための新しい研究環境創造ワークショップ」を担当しました。大学院生のみなさんの提案を受けながら、設計事務所からもかなり具体的な提案がでてきました。今日も関連して、随分長い会議がありました・・・大変ですが、頑張ります・・・

http://www.ritsumei.jp/pickup/detail_j/topics/12221/date/10/year/2013

2013年10月8日火曜日

10月5日にj-waveの新番組「PRIME FACTOR」の第一回ゲストに呼んでいただきました。

10月5日に、コンサルタントのショーンKさんがナビゲーターを務めるj-waveの新番組「PRIME FACTOR」の第一回ゲストに呼んでいただきました。テーマは「25年後の東京」。キーワードとして、マクロ、メゾ、ミクロとして、「集中と格差」「地方のパワー」「SNEP(孤立無業)」を提案して、議論してきました。ハードなテーマたちにもかかわらず、わりとゆったりとお話したつもりでいたものの、終わってみれば、スタッフの方々から「ちょっと(話が)硬い」と・・・よく言われるので、自分では気をつけてたつもりなんですが・・・ラジオ難しいですね。またこんな機会があれば頑張ります。

(番組サイト)
http://www.j-wave.co.jp/original/primefactor/

(ショーンKさんと番組後にツーショット)
http://www.j-wave.co.jp/blog/primefactor/topics/


2013年10月7日月曜日

エッセイ: 春秋社のPR誌『春秋』10月号に三宅洋平さんの選挙運動について書きました

春秋社のPR誌『春秋』10月号に三宅洋平さんの選挙運動について書きました。三宅さんの選挙運動の新しさはネット選挙の実践というよりは、コミュニケーションの形式の変化ではないか、といった内容です。大手書店店頭で入手できるはずです。新著でも少し言及したのであわせてぜひ。

西田亮介,2013,「『ハーメルンの笛吹』は若者を動員するのか、それとも民主主義の危機か――2013年、ネット選挙解禁の裏側で」『春秋』552: 7-10.




2013年10月6日日曜日

専修大学KS(川崎・専修)ソーシャルビジネスアカデミーでゲストレクチャーをしてきました。

昨日、10月6日に昨年に引き続いて専修大学KS(川崎・専修)ソーシャルビジネスアカデミーでゲストレクチャーをしてきました。この事業は川崎市と専修大学の協働事業のようです。活発な質疑応答をいただき、つつがなくゲストレクチャーを終えたような気がします、たぶん。

2013年10月4日金曜日

大学院生のための新しい研究環境創造ワークショップ

なぜか業務で「大学院生のための新しい研究環境創造ワークショップ」というワークショップを担当しています。2015年春に完成予定の新しい施設に大学院生用のリサーチ・コモンズを設置するのですが、その設計と内装に当事者でもある大学院生の要望も取り入れていこうというものです。

先日これまでのワークショップでの提案などをもとにして、設計事務所から図面が上がってきたのですが、それをもとにして空間の配置を議論しました。院生たちからの空間に対する提案がなかなか創造的でした。16日に今回の提案を受けて、さらに設計事務所さんが提案してくださる図面への意見と、ソフト面等のコンテンツの提案するWSを行います。使い勝手の良い、新しい施設ができるとよいですね。