研究室情報【進学、研究生、共同研究等希望者等向け】

西田亮介研究室について (about Dr. Ryosuke NISHIDA's Lab.@titech)
東京工業大学環境・社会理工学院社会・人間科学系 社会・人間科学コース 西田亮介研究室の研究室情報です。 研究室(修士課程、博士課程)への進学、研究生の希望者は、よく読み、
原則として、十分な時間的余裕をもって事前に連絡し、 個別面談を受けて下さい(海外、遠方在住等の場合は要相談)。

(Japanese)

(English)

オンラインサロンを始めました。初月無料、社会人1500円/月、学生500円/月。平日毎日更新。週1選書。月1読書会。
「西田亮介の新書、文庫、雑誌で始めるリベラルアーツゼミ@Synapse」

2013年2月28日木曜日

【メディア】2013年2月27日BSフジLIVEプライムニュース

昨日BSフジLIVEプライムニュースで、「インターネット選挙の行方は」ということで、ゲストに呼んでいただきました。みんなの党の松田公太議員と、自民党の橋本岳議員とご一緒させていただきました。橋本岳議員はSFCの大先輩ですね。松田議員は大変クリアに、みんなの党の立場をご説明いただきました。みんなの党としては、将来的には他のメディア等も含めて利用範囲を拡大していきたいのだ、とおっしゃっていました。急遽森元首相の訪露話が入ることになってしまったので時間は短くなってしまっているのですが、与野党のネット選挙の立場と差異について理解しやすい発言がいろいろとあるように思いました。一週間はオンラインで配信されているようですので、以下からどうぞ。

http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.html

以下、http://www.bsfuji.tv/primenews/schedule/index.html#WedTheme より引用
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『森喜朗元首相帰国出演 訪ロの成果&安倍外交 ▽ インターネット選挙の行方は』

 前半は、先週、安倍首相の特使としてモスクワを訪問し、プーチン大統領と会談した森元首相を迎える。北方領土問題解決への糸口を探った今回の会談の中身、4月末で調整が進む安倍首相の訪ロに向けた今後の課題、さらにTPP交渉参加問題で大きな前進となった日米首脳会談の評価、森氏自身が大統領就任式に出席した韓国の朴新政権と今後の日韓関係など、安倍政権の外交について幅広く聞く。
 後半は、今月13日に与野党が一致し、今夏の参院選から解禁される見通しとなったインターネット選挙運動。法改正に向けては、第三者が候補者の名を語る“なりすまし”や誹謗中傷をどう防ぐか、メール利用の範囲をどこまで認めるかなど、課題が山積している。インターネット選挙運動解禁への与野党キーマンと専門家を迎え、解禁に向けた現状と課題、今後の選挙運動の在り方についてじっくり議論する。

ゲスト: 森喜朗 元内閣総理大臣(前半)
橋本岳 自由民主党選挙制度調査会インターネットを使った選挙運動に関するプロジェクトチーム事務局長 衆議院議員(後半)
松田公太 みんなの党政策調査会副会長 参議院議員(後半)
西田亮介 立命館大学先端総合学術研究科特別招聘准教授(後半)


2013年2月27日水曜日

【講演】2013年2月26日「次の日本社会をどのように担うのか ――「二律背反」を越えて」『組織における過去から未来への変化を追う~営利企業における非営利事業/CSRの可能性~』

昨日、若年無業者の就労支援を行うNPO法人育て上げネット理事長工藤啓さんと、関西カウンセリングセンターにて講演とパネルディスカッションを行いました。ちょっと大仰な題目ですね汗 日本の公共セクターの概要を、1970年代から政治、社会、企業との関わりから振り返り、今求められる協働等の示唆を、共通価値(M.ポーター)の議論などから参照する(分かりやすく)・・・というものでした。1時間という制約付きなので随分駆け足になってしまいましたが、工藤さんご本人が実況してくださり、@Zimmyisfakestarさんがまとめてくださっています。関西で通信制高校の教育支援など、社会的弱者の支援を行うNPO法人D×Pの今井紀明さんも来てくれていました。久々にお目にかかれてなによりでした。

西田亮介,2013,「次の日本社会をどのように担うのか ――「二律背反」を越えて」『組織における過去から未来への変化を追う~営利企業における非営利事業/CSRの可能性~』@関西カウンセリングセンター(2013年2月26日).

「『組織における過去から未来への変化を追う ~営利企業における非営利事業/CSRの可能性~』」
http://togetter.com/li/462793

(財)関西カウンセリングセンターさんの概要
http://www.kscc.or.jp/information/12k38.php

2013年2月26日火曜日

【執筆】西田亮介,2013,「2012年衆院選に見るソーシャルメディアの可能性と課題」『Voters』12,6-7.

2012年衆議院選挙におけるソーシャルメディアの利用方法、そしてネット選挙に関連する論点をコンパクトにまとめました。学習院の遠藤薫先生らも執筆されています。

西田亮介,2013,「2012年衆院選に見るソーシャルメディアの可能性と課題」『Voters』12,6-7.

どこで入手できる媒体なのかはちょっと良くわかりませんが、(財)明るい選挙推進協会さんの広報媒体です。

http://www.akaruisenkyo.or.jp/

2013年2月25日月曜日

【執筆】西田亮介,2013,「医療情報はだれのものか」『がん治療の今 第3集』177-183.

分担執筆で参加させていただきました。直接間接含めた、医療情報やライフデータの可能性とリスクについて、です。

西田亮介,2013,「医療情報はだれのものか」『がん治療の今 第3集』177-183.



「アカデミズムの『使い方』」 の社会的前提条件と立命館大学博士キャリアパス推進室の取組

昨日の宇野常寛さん、千葉雅也さん、大野光明さんとのシンポジウム「アカデミズムの使い方 ─越境する知と多様化するキャリアパス」の資料。博士人材問題の現状と、立命館の現状、そして、これから立命館が大学院向け支援でどのような取組をしようとしているかをご紹介しました。当日は会場(立命館大学衣笠キャンパス創思館)に関西のみならず全国から、150名くらいでしょうか、多くの皆様に集まっていただき質疑応答も活発に行われました。

西田亮介,2013,「『アカデミズムの使い方』 の社会的前提条件と立命館大学博士キャリアパス推進室の取組」@「アカデミズムの使い方 ─越境する知と多様化するキャリアパス」(2013年2月25日@立命館大学衣笠キャンパス).



企画概要はこちら→
http://www.r-gscefs.jp/?p=3461

まとめも作ってくださいました →
「まとめ「「アカデミズムの使い方 ──越境する知と多様化するキャリアパス」@立命館大学大学院 先端総合学術研究科」#sentanken」
http://togetter.com/li/461626


2013年2月23日土曜日

2013年2月17日Part2「ネット選挙運動解禁をどう考えればいいのか」(西田亮介)ポッドキャスト公開されました。

2013年2月17日Part2「ネット選挙運動解禁をどう考えればいいのか」(西田亮介)ポッドキャスト公開されました。まさにタイムリーな話題ですね。「インターネットの設計思想に賭けることができるのか」が問われている、という話を中心にしています。そして、後編も麻木さんのすばらしいまとめと、鋭いツッコミが炸裂しています。これまで三回出させていただいたのですが、とても楽しい(でも、毎回麻木さんのツッコミは構成台本を遥かに越えた鋭いものが飛んでくるので、ちょっと怖い)番組です。

http://www.tbsradio.jp/asaken/2013/02/2013217part2.html

2013年2月21日木曜日

立命館大学の「大学院で獲得する“充実”」に関連して

以前にも少し紹介したことがあるかもしれないけれど、立命館でのぼくの主たる仕事は、博士キャリアパス推進室という部署の業務である。『高学歴ワーキングプア』という水月昭道さんの書籍でよく知られるようになったけれど、大学院、とくに博士課程を修了すると、完全に需給関係が逆転し、人材供給のほうが上回ってしまっている。要は若手の仕事が圧倒的に不足している。

「博士課程修了者のキャリアパス創出に関する問題の所在について」
http://ryosukenishida.blogspot.jp/2012/11/blog-post.html

来年度は改組でさらに業務が増えるようなのだけど、2012年度は博士課程を中心に、アカデミズムでの競争力強化と、同時に、多様なキャリアを選択できる力を要請できるプログラムの開発に取り組んできた。とはいえ、今年度は第2期のプログラム体系を引き継ぎつつ中身を考えながら、2013年度からの第3期のプログラムの構想を作成する作業に関わってきた。これは遠くないうちに公開されるはずだが、個別支援とガバナンスの構築、今後の施策に活かすための基礎的な調査を軸にしたかなりユニークなものになっている。

立命館大学博士キャリアパス推進室
http://www.ritsumei.ac.jp/ru_gr/g-career/

さて、そんな立命館での2012年度のほぼ最後の仕事が、2013年度から立命館大学の大学院に進学する、いわゆるM0生向けのセミナー「大学院で獲得する“充実”」である。昨年度まではキャリアについて、丸一日学ぶようなものだったようである。今年度は、立命館大学の大学院での学びのモチベーションに特化したものに全面的に書き換えた。おおまかにいえば、教員、修了生、他大院卒人材と、コミュニケーションしながら、研究や就活にかぎらず、広義の「大学院での学び」とそのメリットについて考えてもらう。

また、れらのコミュニケーションを踏まえて現役院生と一緒に2年間の学びの計画を立てる。モチベーションとともに、入学前に縦横の人間関係のネットワーキングを行なってもらうという趣旨もある。他大院卒の人材もまだ公開になっていないけれど、ぼくの友人たちで、おそらく院卒の有無と関係なく「話を聞いてみたい」と思える人たちなので、楽しみにしていただきたい。

「2013年度 大学院新入生向けセミナー 「大学院で獲得する“充実”」」
http://www.ritsumei.ac.jp/ru_gr/g-support/ability/article/?id=20

ウェブは少し、大仰だけれど、立命館大学の大学院に進学する予定の人は、3月16日、17日の土日のどちらに参加してもよい設定になっているので、ぜひとも参加を検討してほしい。また今後も学内事情に根ざして、着実な、しかし大胆な支援プログラムを仕掛けていくので、立命館の大学院に注目していただければと思う。

2013年2月19日火曜日

「デザインの力で、新しい未来をつくる!!」ソーシャルデザイン関連書フェア、蔦屋書店熊本三年坂店さんで開催!! #social_design などなど

2011年末に春秋社さんから、『「統治」を創造する』という本を出しました。自画自賛だけれど、統治という感じに「ガバナンス」というルビを当てたり(両者の緊張感を表現したかったのです)、サブタイトルに「新しい公共・オープンガバメント・リーク社会」という具体的な題目を入れたり、やや早すぎた感は否めないですが、刊行から1年を超えた今でもAmazonの中古価格が本体価格を上回っていたりと、その筋の皆様には比較的好意的に評価していただいておりとても嬉しく思っております。

この書籍が、英治出版さんが中心になって出版各社がアライアンスを組んだ「ソーシャルデザインフェア」に選んでいただいており、全国で現在でもプッシュいただいております。ぼくも選書等のかたちで協力させていただいておりますが、ちょうど現在蔦屋書店熊本三年坂店で開催中のようです。フェアでは理論から実践まで、さまざまな「ソーシャルデザイン」に関連する書籍を推薦しているはずです。どこかの書店で目にした際には、本書も合わせて、どうぞ「ソーシャルデザインフェア」をよろしくお願いします。

ソーシャルデザインフェアについては、英治出版さんブログへ




2013年2月17日日曜日

2013年2月26日(火)19時〜21時@関西カウンセリングセンター「組織における過去から未来への変化を追う~営利企業における非営利事業/CSRの可能性~」

友人で、若年無業者の支援を行うNPO法人「育て上げ」ネットの理事長で、友人の工藤啓さんとご一緒します。今から楽しみです。

2013年2月26日(火)19時〜21時@関西カウンセリングセンター「組織における過去から未来への変化を追う~営利企業における非営利事業/CSRの可能性~」

http://www.kscc.or.jp/information/12k38.php

以下、(財)関西カウンセリングセンターより引用。

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中小企業の人手不足がより深刻な状況になっています。財務省・内閣府がまとめた昨年10月-12月期の法人企業景気予測調査では、「人手が不足している」と答えた企業から「過剰である」を差し引いた値が中小企業で10.3ポイントとなりました。リーマンショック以前の高水準まで戻りました。

一方、2013年新卒就職活動の意識/動向調査によると、仕事のイメージについて「お金を稼ぐ手段」は昨年より11.1ポイント減少していますが、「社会貢献」や「生きがい」と答えた割合は昨年よりも高まっています。人材不足に悩む中小企業と社会貢献を求める若い人材のミスマッチが起こっていると考えられます。

上記のことから、企業は今後CSR活用の強化およびソーシャルビジネスへの展開、NPO等公益法人との協働に向かうことで、人材を獲得し、閉塞感ある市場を開拓していくことが求められます。日本におけるCSR活動の特徴は最低限の法令順守や利益貢献/雇用拡充に重心が置かれてきましたが、市民や地域の潜在的・顕在的要請に応え、より高次の社会配慮、情報公開、対話に取り組んでいく。つまり、営利企業としてコンプライアンス、消費者、非営利セクターとのコミュニケーションが重要となります。

関西カウンセリングセンターでは、50年に及ぶカウンセラー養成と円滑なコミュニケーションの涵養に取り組んでおり、今後、大阪の中小企業の成長に対し、蓄積したノウハウを生かした貢献をしていきます。当該事業では、気鋭の社会学者西田亮介氏と多様な企業との協働においてソーシャルビジネスを展開するNPO法人育て上げネットの工藤啓氏をお招きし、営利企業の過去から未来への変化をマクロな視点で捉えるとともに、営利企業の非営利事業/CSRの可能性を議論します。

特別講演会 詳細

対 象 どなたでもご参加いただけます。
日 時 2013年 2月26日(火) 19:00~21:00( 2時間)
会 場 関西カウンセリングセンター 8階研修室(堂島ビルヂング)
講 師
*講師プロフィールを、このページの下部に掲載しております。

西田 亮介 氏
立命館大学大学院先端総合学術研究科特別招聘准教授

工藤 啓 氏
NPO法人「育て上げ」ネット理事長

古今堂 靖
財団法人関西カウンセリングセンター理事長
参加費 2,000円(当日受付にてお支払下さい)

資格更新ポイント *当センター認定のカウンセラー資格 1ポイント
*キャリア・コンサルタント資格 1ポイント
定 員 80名(先着順)
お申し込み ◆申込フォーム
こちらの申込フォームをご利用ください(携帯電話可)。

講師プロフィール
西田 亮介(にしだ・りょうすけ) 氏
立命館大学大学院先端総合学術研究科特別招聘准教授。1983年京都生。慶應義塾大学総合政策学部卒業。同大学院政策・メディア研究科修了。同後期博士課程単位取得退学。同助教(有期・研究奨励Ⅱ)、中小機構リサーチャー等を経て現職。東洋大学・学習院大学・デジタルハリウッド大学大学院非常勤講師、国際大学GLOCOM客員研究員等を兼務。ソーシャルビジネスと社会起業家、新しい公共、情報と政治等を研究。共編著に「統治」を創造する』(春秋社)、共編著に『大震災後の社会学』(講談社)等。

工藤 啓(くどう・けい) 氏
NPO法人「育て上げ」ネット理事長。明治大学特別招聘教授。1977年東京生。米国ベルビューコミュニティーカレッジ卒業。2004年「育て上げ」ネットをNPO法人(特定非営利活動法人)化、本格的に若年者就労支援を開始。2007年首相(当時)の安倍晋三から「再チャレンジ支援功労者」として表彰される。2010年に日本マイクロソフトと連携した「ITを活用した若者就労支援プロジェクト」を2011年には被災地で被災者向けに開始。

古今堂 靖(こきんどう・やすし)
財団法人関西カウンセリングセンター理事長。1965年大阪生。大学中退後、ホスト、金融業、不動産業、司会者、青果市場、百科事典セールス、旅行添乗員、警備員、レコード会社、長距離トラック運転手etc…。10以上の職種を経験した後、2003年に祖父が創設した(財)関西カウンセリングセンターに入局。NPO法人キャリア・コンサルティング協議会出向中にキャリア・コンサルタントの国家資格化に携わる。2012年4月より現職。

2月15日(金)NHKラジオ第一「2月15日「インターネットで選挙運動解禁へ 選挙はどう変わるのか?」」『私も一言!夕方ニュース』

2月15日(金)NHKラジオ第一「2月15日「インターネットで選挙運動解禁へ 選挙はどう変わるのか?」」『私も一言!夕方ニュース』に明治大の清原聖子さんと出ました。

http://cgi2.nhk.or.jp/hitokoto/bbs/form2.cgi?cid=1&pid=19695

思い込みや一般的に言われていることについて、1時間以上かけて丁寧に議論しました。なかなかよいですね。

2013年2月15日金曜日

Greenough Fin

初めてGreenough Finを購入したのだけど、なかなか衝撃的なアイテム。これまでフレックス系だと、ジョエル・チューダーフィンのKARMAを使ったことがあったけど、もっと粘りがダイレクトに伝わってくる感じ? 9.5"にしたけど、もっと大きいのでも良かったかな、と思ってしまうくらい。シングルフィンがぐぐっと粘ってる感じが、伝わってくる。テール側につけても、ノーズよりにつけても調子良い。定位置は今後要調整か。不思議なフィンだ。



2013年2月13日水曜日

日本の「契約」文化――あるいは「ノマド」を日本で他人に進めにくい理由?

「契約書」ベースで働くようになって、5年くらいになるだろうか。あまり知られていないかもしれないけれど、任期付の大学教員や非常勤講師、公的機関の調査研究職は毎年契約書を交わしていることが少なくない。ちなみに転職の回数も多い。ぼくもおそらく一般的なサラリーパーソンよりはだいぶ多い転職回数になっている。先日も、現在の収入のポートフォリオのなかでは比較的大きな契約を更新した。

毎年そんな時期になると、「おかしいなあ」と思うことがあるのだけれど、たいていの「契約書」は、向こうからひな形の書類が送られてきて、それに判をついて返すだけ。そのひな形は、たとえば大学であれば職位・職種に応じたいくつかのパターン(メニューはだいたい10種類くらい)のなかから選択されている。とても給料の水準や勤労条件について調整したり交渉したり、という余地は事実上残されていない。「既存の条件で契約するか、契約しないか」というのが現状である。もちろん外資系企業や、一部の先駆的な企業は違うのだろうけど、大学以外にもこれまでいくつか仕事をしてきた公的機関や地方自体といった、伝統的な日本的組織はたいていこのパターンだ。

安定性云々や終身雇用はさほど気にならないのだけど、契約ではなく契約の条件交渉ができないことにはとても違和が残る。というのも、この「一律のパターン」で契約する形式は、社会経済環境の変化、あるいは個人状況の変化に対して、迅速かつ柔軟な対応が期待しづらいからだ。この手のものを変えるには、いくつも会議を開いて、決済をとって...という手続きが起こるのだろうが、随分時間がかかるだろうことは容易に予想できる。しかし、今のところたいした影響はないけれど、たとえば今後アベノミクスで緩やかなインフレ傾向になったとしても、一律固定化された環境では給料の伸びは期待できない。ごちゃごちゃした意思決定がようやく終わったころには、契約期間も終わっている、ということにだってなりかねない。

このような「契約」の慣習が旧態依然として残っている環境のなかでは、ノマドや起業は人に進めにくい、ととってつけたように思った。もう少しまじめに付け加えておくと、もちろんこういう不利な環境のなかでも成功する人はいるだろう。しかし、不利な環境のなかでも成功するという場合、大別すると、①傑出した才能、能力、努力等がある、②傑出した製品、ビジネスモデル、市場の発見等にたどり着いた、③傑出してラッキーだった、といった某かの「傑出した」要素がきいている可能性が高い。起業家やフリーランスで成功された方は本当にすごい、と思うけれど、なおさらのこと一般的に(たとえば学生たちに)起業やノマドを勧めるなんてことは無責任ではないか、と思ってしまう。もちろんこういった「成功者」が増えてくれば、少しずつ「契約」の慣習も変わっていくのだけれど、そういった環境の変化が共有されていない状態で起業やフリーランスのすすめ、みたいな言説が広まっていくことは危なっかしい気がしてならない。


2013年2月12日火曜日

ネット選挙:「候補者成り済ましで公民権停止」は何を含意するのか

ヘッドライン | 主要 | 政治 | ネット選挙の与党案判明 「候補者成り済まし」公民権停止 - 47NEWS(よんななニュース) http://www.47news.jp/news/2013/02/post_20130210185259.html

というニュースが流れている。ネット選挙運動に関連して、ずっと懸案事項になっている「なりすまし」等の虚偽表示に対する罰則規定として、罰金等に限らず、選挙権や被選挙権の停止といった規定について、自民党と公明党が合意したという。

虚偽表示に対して、なんらかの罰則規定は必要と思われうが、文字通り受け取ると厳しすぎる。罰金刑で十分だろう。ただ、こういった極端な項目をあえて織り込むことで、野党との今後の交渉を有利に進めるものと受け取ることもできる。野党には「与党と交渉した」という「手柄」を渡しつつ、実質的な部分を与党提案で行くことで、妥協点となりうる。

「だから、どうした」、というわけでもないけれど、硬直化したガバナンスを変革するためのネット選挙運動の解禁となるのか注視したい。

2013年2月11日月曜日

2013年2月10日(日) 9:30p.m.~ 10:00p.m. 「テーマ:「ネット選挙運動解禁をどう考えればいいのかPart1」 ゲスト:立命館大学大学院・特別招聘准教授 西田亮介さん」ポッドキャストになりました

2013年2月10日(日)TBSラジオ「麻木久仁子のニッポン政策研究所」 9:30p.m.~ 10:00p.m.放送分の 「テーマ:「ネット選挙運動解禁をどう考えればいいのかPart1」 ゲスト:立命館大学大学院・特別招聘准教授 西田亮介さん」ポッドキャストになりました。
http://www.tbsradio.jp/asaken/2013/02/2013210part1.html

17日(日)も夜9時〜TBSラジオで後編の放送があります。麻木さんの番組は3度目なのですが、毎回とても刺激的です。

2013年2月10日日曜日

西田亮介・藤村龍至・速水健朗,2012,「新しい日本を設計する」『ゲンロンエトセトラ』6: 84-112.

ジュンク堂池袋本店での鼎談が収録されています。藤村龍至さんの「日本列島改造論2.0」の理論面に、ぼくが突っ込むかたちで議論が進行しています。当日もなかなか盛り上がりましたが、改めて読むと、ちょっとおもしろかった(自画自賛)。

それとは別に、見本誌がゲンロンから送られてきたのだけど、中にゲンロンのなかの人である徳久さんの手書きコメントが添えられていた。ゲンロンの仕事はこういった、ささいなところまで気を使ってあることが多くて、とても新興の出版社とは思えない。とても気持ちがいい会社です。ずっとこうあってほしいものです。

西田亮介・藤村龍至・速水健朗,2012,「新しい日本を設計する」『ゲンロンエトセトラ』6: 84-112.





2013年2月8日金曜日

【告知】2013年2月10日「ネット選挙運動解禁をどう考えればいいのか(西田亮介)」TBSラジオ『麻木久仁子のニッポン政策研究所』

2013年2月10日PM9時半〜10時
「ネット選挙運動解禁をどう考えればいいのか(西田亮介)」
TBSラジオ『麻木久仁子のニッポン政策研究所』
http://www.tbsradio.jp/asaken/2013/02/post-12.html

ネット選挙についてです。収録はすでに終わっていて、麻木さんとご一緒させていただいたのは3度目なのですが、毎回そのまとめ力、つっこみ力は大変勉強になります。もっとも刺激的な社会系、政策系のラジオ番組だと断言できると思います。翌週17日にも後編の放送があります。

2013年2月6日水曜日

PIGとミニシモンズ

「PIGとミニシモンズ」と書いて、想像できる人は多くはないだろう。PIGはテールが大きくて、ノーズが細いロングボード〜ミドルレングスのサーフボードのことを指し、ミニシモンズはシモンズという初期のツインフィンを短くしたもの。今日7'11”のハルボトムのPIGと、4'11"のツインフィンのミニシモンズを試乗させてもらった。前者は普通のボードと違い、ボトムが船底のように膨らんでいる。座った感触からして、ロングボードともファンボードとも違う不思議な感触。レールが入って、体重がかかると、ぐっとスピードに乗る。フローター系でスープに乗りあげると、すこぶる安定性に欠くので、ダウンザラインからカットバックというシンプルなライディングにほぼ限定されている。でも、サーフィンの基本であり、真髄のような。ある意味贅沢なボードだ。波のいいときに、フェイスの広い波で乗ったら、楽しそう。4'11"のミニシモンズは正直良くわからなかった。確かにテイクオフは早いけど、「まあ、こんな乗り味の板もあるよね」といった感じ。ツインフィンでありながら、フィッシュでもなく、かといって、当然普通のショートボードとも全然違う、厚いレールのせいか、ものすごい幅広のテールのせいか、ふわふわな乗り味。もう少しサイズのあるときに、また乗ってみたいといったところか。しかし、トップアマのショップスタッフは、調子良さそうに走ってたから、単に腕の問題かもしれない・・・

2013年2月5日火曜日

自治体は指定管理や委託事業等における人件費を妥当な水準に引き上げるべき――現役世代はNPOで働けない?

よく知っている、ある自治体から指定管理を受けているNPOが求人を出していた。その条件は以下のとおり。

常勤スタッフ
業務内容
市民活動支援施設フロアー管理業務(来館者対応、電話対応、機材利用補助、配架掲示管理他)相談対応業務(市民活動・ボランティア活動に関する相談)
運営管理業務(会計、人事、各機関との連絡調整、渉外) 
募集人数
若干名
給与
月給135,000円
社会保険・労働保険、年末年始休暇、労働基準法に基づく有給休暇制度あり
交通費実費支給
勤務日数
週4日以上(土、日、祝祭日問わず)勤務 
勤務時間
8時30分から22時までの間で指定する8時間(交代勤務)
※実働8時間、休憩60分

どう思うだろうか。思わず絶句してしまった。しかも、関係者によれば、これでも悪いとはいえず、どちらかといえば好条件の部類に入るようだ。大学業界も、あまり待遇が良いとはいえず、昨今いろいろと問題になっているが、さすがにこの水準の公募がかかることはないだろう。

なぜ、このような条件になってしまうのだろうか。自治体からの指定管理が主たる事業の中心を占めているNPOということもあるが、自治体が人件費の水準をこの程度で設定しているがゆえに、この水準で積算してしまっているのだろう。自治体との関係も深いがゆえに、先読みしすぎてしまっているところもあるのかもしれない。いずれにせよ、この事業を発注している自治体には、この水準で働いてる職員はいないだろう。

いうまでもなく、この水準では年金世代ならともかく現役世代が働くのは厳しい。家族がいればなおさらだろう。民間と同程度とはいわなくとも、近い水準を担保しないことには、いつまで経っても、日本の公共セクターでは若年世代が参入できず、付随して、ITや事業性の現代化も望むことができない。

よくNPOはこれからは自主事業だ、という言葉を聞くが、他国でも(アメリカでさえ)公的支出がNPOの収入に大きな役割を果たしていることが知られている。確かに行政にとってはコストカットの側面も強い、指定管理者制度だが、サービスの質の向上を考えても、人件費を過度に引き下げてしまっては元も子もない。せめて、高い付加価値の創出や質の高いサービスの提供を条件に、人件費を増額できる仕組みが必須だ。「行政の下請け化」の議論から10年が経っても、このままでは困る。協働や指定管理制度における政府、地方自治体側の大きな課題だろう。





2013年2月4日月曜日

大卒でも無職になる時代になる時代に『働く』ということ

現在発売中の『第三文明』の「若者の『今』」という特集で、若年無業者の就労支援などに取り組むNPO法人「育て上げ」ネット理事長の工藤啓さんと、対談をおこなっています。工藤さんの新著『大卒だって無職になる』を素材に、さらに大学生たちが現在直面するさまざまな教育と経済(家計)の問題を取り上げました。法寺岡さんといういつもお世話になっている、編集者の大変素晴らしい編集もあり、なかなかいい仕事にまとまっている気がしています。ぼくは端的に無宗教ですが、良かったらお手にとっていただければと思います。駒崎さんの講演録も収録されていて、最近第三文明はじわじわとこの界隈で重要なメディアになってきている気がします。

工藤啓・西田亮介,2013,「大卒でも無職になる時代になる時代に『働く』ということ」『第三文明』639,70-4.







2013年2月3日日曜日

ワークショップの「罠」

さまざまな場面でワークショップが取り入れられる機会が増えた。授業でも導入することもあれば、ワールドカフェのファシリテーターの依頼をうけることもある。ワークショップ、というよりも、参加型の企画の利点であり、かつ問題点は参加者の満足度が総じて高いことである。参加者にとっては普段考えない対象に対して、頭を動かし、他者と議論をし、ときには報告したりすることが、どうやら企画に対する満足度につながるようだ。その意味において、ある対象に対する参加や関心の動機付けについて、ワークショップは「効く」。しかしワークショップのアウトカムはどうか、と問われると必ずしも、十分なものとはいえないことが多い。というよりも、大半がそうである。デザイン思考の重要性はわかるが、デザイン思考で有名なIDEOでは(プロトタイピングでさえ!)、異なる分野において十分な専門性を持った専門家が、特定の問題解決を考えるために、丸一日のセッション、というよりも、無形の議論を、連続して積み重ねている。言い換えれば、「普通の人」を集めて2時間ほどちょろっと議論したところで、参加者の動機付けと、企画への高い満足度以外に得られるものは乏しい可能性が高い。もっとも企画主催者としては、後者こそが最重要な課題なのかもしれないが。



2013年2月2日土曜日

2013年1月31日第4回ラウンドテーブル(Green-Table)「まとめ:FTM提言が示すべきスマート社会のビジョン」


国際大学グローバル・コミュニケーション・センター
2012年度FTMフォーラム 第4回ラウンドテーブル(Green-Table)

「まとめ:FTM提言が示すべきスマート社会のビジョン」

未来の技術と社会のための研究と実践を行う産学共同プログラム「フューチャー・テクノロジーマネジメント(FTM)フォーラム(村上憲郎議長)」の本年度の活動では、多様な人々を幸せにする「スマート社会」の構想と、その実現に必要な技術を取り巻く制度・カルチャー・企業経営を議論しています。
詳細はFTMフォーラムホームページをご覧ください。
http://www.glocom.ac.jp/project/ftm/

日時: 2013年1月31日(木)18時~20時30分
会場: 国際大学グローバル・ コミュニケーション ・センター
    (東京都港区六本木6-15-21ハークス六本木ビル2F)
地図: http://www.glocom.ac.jp/access/

概要
昨日2年間にわたるFTMフォーラムGreen-Tableの今年度の最終回だった。このラウンドテーブルからはいろいろなことを学ばせてもらったけど、2年目の最後。

(以下、GLOCOMから)
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FTMフォーラムでは、2011年度の議論を踏まえ2012年4月に「持続可能なスマート社会づくりを急げ ― 電力改革をイノベーションの最重点課題に ―」という提言を行いました。この提言は、Green Tableと並行して開催されているRed Tableの議論が元になっています。Red Tableでは今年度も電力改革を中心とするテーマで提言を作成する予定です。

FTMフォーラム(Red Table)
http://www.glocom.ac.jp/project/ftm/red-table/

プログラム

18:00 ~ 「Red Tableのこれまでの議論とFTM提言がめざすもの」
       砂田薫(国際大学GLOCOM准教授/主任研究員)

18:15 ~ 「前回までの議論の整理と今回の議論の位置づけ」
       庄司昌彦(国際大学GLOCOM講師/主任研究員)

18:35 ~ ディスカッション(予定)
       川崎裕一(株式会社kamado 代表取締役社長)
       玉置沙由里(MG(x)サロン主催)
       西田亮介(立命館大学大学院 特別招聘准教授)
       藤代裕之(NTTレゾナント株式会社 新規ビジネス開発担当)
       森永真弓(株式会社博報堂DYメディアパートナーズ
             i-メディア局 i-メディア戦略部
             メディアプロデューサー
             (兼) メディア環境研究所 上席研究員)
       庄司昌彦(国際大学GLOCOM主任研究員/講師)

19:45 ~ オピニオンメンバー・会場も含めた全体ディスカッション

20:30  終了